コンサルティングの仕事をしていて、「説明がわかりづらい」と言われたことはありませんか?
コンサルタントにとって、相手に正しく・明確に情報を伝える力ことは非常に重要です。
でも、専門知識を持っているからこそ、どう噛み砕いて伝えるかに悩むことも多いかもしれません。
そんな「説明力」を鍛えるヒントが、
映画『ANNIE(アニー)』にあります。
「ニューディール政策」を小学生が語る

あなたは1930年代に米国大統領フランクリン・ルーズベルトが行った「ニューディール政策」の内容をわかりやすく説明できますか?
言葉自体は知っていると思いますが、いざ「わかりやすく説明してください」と言われると、「えっ、ちょと待って」という方が多いのではないでしょうか。
私自身、「ニューディール政策」自体は知っているし、学生時代は何度も何度もテストの解答用紙に記入してきました。ですが「内容は?」と聞かれたら、「不況時に行った政策でしょ?」くらいの回答になってしまうと思います。
そんな「ニューディール政策」ですが、私が世界一元気が出ると思っている映画『ANNIE(アニー)』(2014年/ウィル・グラック監督)内で、主人公のアニーが非常にわかりやすく説明してくれています。
ちなみに、映画『ANNIE(アニー)』は同名ミュージカルを現代版にアレンジした内容の映画です。
この映画の冒頭部分で、主人公のアニーが「ニューディール政策」について言及しています。
「私の大統領はフランクリン・ルーズベルト。彼が当選した1932年は貧乏な人でいっぱい。だから今と似てるけど、ネットはなしね。一列目以外は全員貧乏な人役。はらぺこで怒っているから、うなって足を鳴らして。一列目喜んで。皆はリッチだから手を叩いて大笑いしちゃって。貧乏な皆を心配したルーズベルトは全員に仕事をくれたの。それがニューディール政策。いっぱい働けばリッチになれた。私が触った人がリッチね。道路を作ってお給料をもらって、木を切ってお給料をもらって、家を買えるようになって、大学にも行けて、国中がハッピーになった。リッチな人たちも大丈夫。もっとリッチになれたからやっぱりハッピー
『ANNIE/アニー』2014年/ウィル・グラック監督
子どもたちに役をふって、身体を動かしながら説明していくこのスピーチには、わかりやすい説明のヒントが詰まっています。
アニーのスピーチから次の2点が、
誰にでもすぐ理解できます:
- フランクリン・ルーズベルトは世界恐慌下に大統領になった
- 失業者に仕事を与えた
わかりやすい説明が必要な理由

コンサルティングの現場では、複雑な話を端的に伝えるスキルが重要です。
とくに、医療・金融・ITなど専門性の高い業界では「前提知識の差」によって、相手に話が伝わらないケースも少なくありません。
難しいのは、大人になると「わかっていないことを素直に聞き返す」機会が減ることです。 その結果、「理解されていないことによるトラブル」が発生してしまいます。
では、どうすればアニーのように“わかりやすい説明”ができるのでしょうか?
説明力を上げる3つのポイント

わかりやすく伝えることができなければ、どれだけ素晴らしい提案も通りません。
これは上司への進言や人に何かを教える時も同じす。
ではわかりやすく物事を伝えるためにはどうすれば良いのでしょうか。
結論から伝える
ビジネスの場では、結論を先に伝える「結論ファースト」が基本です。
日本語は起承転結の文化ですが、ビジネスの場では「結論→理由→事例→まとめ」という論理構成が有効です。
相手が「で、何が言いたいの?」と思ってしまう前に、先にゴールを提示しましょう。
視覚情報を活用する
言葉だけでは伝わらないことも、図解やジェスチャーを加えると一気に伝わりやすくなります。
スティーブ・ジョブズがiPodを発表したときの「私のポケットにも一つ入っている」プレゼンは有名ですが、視覚と動きが合わさると、記憶にも残りやすくなります。
説明には、図、スライド、ホワイトボードなどの視覚ツールを活用しましょう
相手が理解できる言葉で伝える
目の前の相手が理解できる言葉を使うことも非常に重要です。
たとえば、「リーマンショックって何?」と聞かれた時に、「格付け機関がサブプライムローンのCDOにトリプルAをつけて」といった言葉を使ったら、金融に詳しくない方は「はてな?」となってしまうと思います。
ですが、たとえば、リーマンショックを引き起こした要因を主婦相手にすごく簡単に説明するとなった時に、次のような説明をしたらどうでしょう。
サブプライムローンのCDOにトリプルAの評価をつけるとは、ある弁当屋がスーパーで消費期限切れになった食材を仕入れて幕の内弁当を作って、その弁当がプロの料理家に最高においしいと評価されるようなもの。
少し話を聞いてくれそうですよね。
まとめ
映画『ANNIE』の冒頭に登場する、主人公アニーのスピーチには、コンサルに必要な「説明力」のヒントが凝縮されています。
- 結論ファースト
- 視覚情報の活用
- 相手に寄り添った言葉選び
どれも、すぐに取り入れられるテクニックばかりです。
説明が伝わると、提案は通りやすくなり、信頼も高まります。 コンサルの仕事とプレゼン力は切っても切れない関係なので、そういう意味で、言葉や動きを通して人に何かを伝える映画には、様々なヒントがあるのかもしれません。
ちなみに、『ANNIE』は元気が出るし、ストーリーも面白いのでおすすめです。気分転換にもぜひご覧ください。

