あなたのビジネスメール、ちゃんと人を動かせていますか?
今回は、コピーライティングの技術を活かした、人を動かすビジネスメールの作法を書いていきます。
人を動かすビジネスメールの作法
ビジネスメールにおいて、伝えたいことを相手に伝え、さらにそこから相手を動かすためには、「わかりやすい文章を書くこと・読みやすい文章を書くこと・相手にしてほしいことを明確に書くこと」がポイントになります。
世の中には、残念なメールを書く人が意外に多いです。
会って話したらすごく丁寧で話のうまい方なのに、メールだと、何を言いたいのかがわからない文章を送ってきたり、すごく簡素で高圧的なメールを送ってきたり。
あなたのまわりにそんな人はいませんか?
私は、残念なメールは、
受け取る人に迷惑をかけると考えています。
あなたは受け取ったことがありませんか?
何回読み直しても意味が理解できないメール。
私はあります。
何回も読み直して、でも全然わからなくて、恐る恐る電話をしてみたら、なんてことはなかたったという話。
こういうメールって、送っている人にとっては悪気はないのですが、受け取る側にとってはすごくストレスだったりします。
意味の分からないメールは、受け取る側にとってストレスですし、意味の分からないメールを書く人とメールをやり取りすると、全然仕事が進みません。
本当は1往復のやり取りで進むような話も、メールの意味がわからないと、「これはどういうことでしょうか?」と、わからない部分の質問で余分なメールが発生してしまいます。
これは、
どう考えても時間や労力の無駄です。
時間や労力の無駄を防ぐためにも、今回は「伝わるメール・人を動かすメール」を書くためのポイントをまとめました。
意味の分からないメールを送って来る相手を変えることはできませんが、自分が意識することで、少なくとも醜いメールのやり取りをせずに済みます。
下記が「伝わるメール・人を動かすメール」を書くためのポイントです。
- 一つのメールには基本的に一つの主題
- 結論から書く
- 相手にしてほしいことを一番目立つように書く
- 文章のまとまりごとに空白行を入れ、圧迫感をなくす
- スマホでの閲覧を想定し、文章のレイアウトを考える
- 必ずしも意図した通りに伝わるわけではないと知る
一つのメールには基本的に一つの主題
基本的に、一つのメールには一つの話題です。
あまりにも詰め込み過ぎると、相手の頭に負担を掛けますし、最悪の場合、部分的に忘れられます。
経験はありませんか?
「3つほど返信をいただきたい話題があったのですが・・・」ということが。
私はあります。
受け取ったメールに返信をするには、多少なりとも頭を使わなければなりません。
そう考えた時に、一つのメールにあまりにも多くのことを詰め込んでしまうと、相手にとって負担になってしまいます。
あまりにも考えることが多いと、受け取った人は混乱する可能性もあります。
メールというのは、一応「文章を書く」という行為なので、苦手としている人も中にはいます。
「考える+考えたことを書く」という行為が発生するので、あまりにも返信する内容が多いメールだと、負担に感じる人もいます。
結果的に返信が遅くなるかもしれません。
また、「Aという話題の返信はすぐにできるんだけど、Bの返信ができないから後回しにしょう」といったこともあるかもしれません。
結論から書く
メールの基本はパッと見で結論がわかることです。
ビジネスマンは忙しいので、映画のような、起承転結の文章は相手に迷惑をかけます。
小説や映画であれば、「まずは主人公が立ち上がって、仲間と出会って、敵を倒して、ラストは意外なあの人が・・・!」という流れで楽しめるかもしれませんが、
ビジネスメールは、上から順にストーリー仕立てで読んでいく性質のものではありません。
毎日たくさんのメールが来るので、いちいち全ての文章に目を通していたら、毎日深夜まで残業ということになりかねません。
忙しい人ほど、瞬間的に「読むメールと読まないメール」を仕分けしています。
忙しい人の目を留めるためには、パッと見でどんな内容なのかを把握させる必要があります。
たとえばメールの件名です。
メールの件名、テキトーに書いていませんか?
メールの件名は非常に重要です。
メールの件名は、ブログでいうところのタイトルのような存在で、ここを疎かにすると、忙しい人のメールボックスのゴミ箱にポイッと入れられてしまう可能性があります。
ですので、本文内で結論からわかりやすく書くということと併せて、件名にも気を遣いましょう。
相手にしてほしいことを一番目立つように書く
相手を動かすためには、
相手にしてほしいことを明確にする必要があります。
何をすればよいのかかがわからないメールを送ってくる人たちがいます。
何か意見を出せばよいのか、それともただ内容に対して「良い・悪い」を答えればよいのか。
何をすれば良いのかが明確でないと、メールの受け手は行動を起こしてくれません。
人を動かすためには、何をしてほしいのかを明確にする必要があります。
たとえば、Webマーケティングには、【CTA】という言葉があります。
これは、【コールトゥアクション】、日本語では【行動喚起】と呼ばれます。
メールでも同じです。
きちんと、「何をしてほしいか」を明確にしましょう。
文章のまとまりごとに空白行を入れ、圧迫感をなくす
空白行のない文章は読み手に圧迫感を与えます。
ビッシリと文字が詰まったメールは、読み手に圧迫感を与えます。
「うわっ、これ読むの?」となってしまいます。
そう思われないように気を付けましょう。
文章構成にも気を遣ったほうが良いと思います。
たとえば箇条書きを使ったり、場合によっては相手のメールの内容を引用して回答したり。
重要な個所は、文字の色を変えるなど。
読みやすいと思ってもらうことが大事です。
伝わるとか相手を動かすとか以前の問題として、まずは最低限読める文章を心掛けましょう。
スマホでの閲覧を想定し、文章のレイアウトを考える
相手が自分と同じ環境でメールを読むわけではないことを意識しましょう。
自分が見ているパソコンの画面では問題なくても、相手の閲覧デバイスによっては読みづらいと感じる場合もあります。
たとえば、パソコンでは問題なくても、スマホの狭い画面幅で閲覧すると読みにくいといったことも有り得ます。
あまりにも横に続けて文章を書くと、スマホで見た際に読みづらい文章になります。
これはメールに限らずWeb全般においてよくあることですが、自分が見ている画面環境と相手の環境が違うということは、常々意識しておかなければなりません。
必ずしも意図した通りに伝わるわけではないと知る
メールは万能ではありません。それゆえ、必ずしも意図した通りに相手に伝わるわけではなく、相手を動かせるわけでもありません。
ここまで書いてきてこんなことを言うのもどうかと思いますが、やはり文章には限界があります。
どれだけ考えて、わかりやすく書いたつもりでも、誤解は生まれます。
必ずしも相手に伝わるわけではなく、相手を動かせるわけではありません。
なぜ最後にこんな話をするかというと、「メールを送ったのだから返してくれて当たり前」「メールを送ったのだから伝わっていて当たり前」と考えてほしくないからです。
当たり前ですが、メールの受け手には受け手の事情があります。
- 「後で返信しようと思っていたけど忘れてしまった」
- 「迷惑メールの中に入っていた」
- 「単純に見逃してしまっていた」
返信が来なかったり、相手が動いてくれない背景には、必ず何か理由があります。
何か理由があるのにも関わらず、「メールを送ったのだからこちらに非はない」と考えていたら、いずれトラブルを生みます。
メールは送ったらそれで終わりではありません。
メールの役目は、
きちんと相手に思いを届けることです。
たとえばメールを送った後に、「すみません、メールをご確認いただけましたか?」と電話をすると、「いつですか?見てなかったです」と答える人たちがいます。
たとえば、メールではバチバチと火花が散りそうなやり取りをしていた人と実際に会って話をすると、「本当に同一人物?」と疑うほどに、スムーズに話が進むことがあります。
なぜか?
それはメールが万能ではないからです。
メールが得意な人がいれば、不得意な人もいます。それを理解しましょう。
ビジネスメールは、社会人として、受け手にもある程度の返信の義務が発生します。
ですが、大事なことは、送り手にはより大きな責任が発生するということです。
返信が返って来ないのは誰のせいですか?
相手が行動を起こしてくれないのは誰のせいですか?
相手に内容が伝わらないのは誰のせいですか?
これらの質問への解が、ビジネスメールの作法を学ぶ動機であり、また、ビジネスメールのやり取りを円滑に進める秘訣でもあります。
まとめ
「伝わるメール・人を動かすメール」のポイント
- 一つのメールには基本的に一つの主題
- 結論から書く
- 相手にしてほしいことを一番目立つように書く
- 文章のまとまりごとに空白行を入れ、圧迫感をなくす
- スマホでの閲覧を想定し、文章のレイアウトを考える
- 必ずしも意図した通りに伝わるわけではないと知る