ジャンクボンドの帝王マイケル・ミルケンが登場する本

1980年代にジャンクボンドの帝王と呼ばれた金融マン「マイケル・ミルケン」をご存知ですか?

海外の金融関連本を読むと何かと話に登場する人物なので、ずっと気になっていましたが、彼に関する本がなかなか見つからなくて苦労していました。

ただ、一冊見つけて読んだのでレビューです。

目次

ジャンクボンドの帝王マイケル・ミルケン氏

マイケル・ミルケン氏は、1980年代に米国の投資会社ドレクセルで活躍したビジネスマンです。

ジャンク債(デフォルに陥る可能性の高い会社の債券)を売りまくったことで、ウォール街の有名人になった人物です。

いろいろなビジネス本によく登場する自分なので、ご存知の人も多いと思います。

ちなみに、ミルケン氏がよく誰かの本に登場するのは、優秀なビジネスマンだからではなく、米国の金融市場で過去に例を見ないほど規模の大きな罪を犯した犯罪者だからです。

具体的には、インサイダー取引を始めるとする90以上の罪で起訴され、禁固10年の実兄判決を受けました。

※現在は出所して新たなビジネスをやっているようです。

ミルケン氏の有能っぷりは半端なく(犯罪に手を染めていたのもありますが)、ドレクセルという会社を、実質一人で背負っていたみたいなところもあったようです。

その証拠に、ミルケン氏が辞めた後、社内の士気低下や客離れなどが原因で、ドレクセルは倒産しています。

レオナルド・ディカプリオ主演の映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート(原作著者ジョーダン・ベルフォート)』の元祖みたいな人物です。

私生活はジョーダン・ベルフォート氏のようにぶっ飛んではいなかったようですが。

『ウォール街 悪の巣窟』

そんなマイケル・ミルケン氏の人の登場する本が、ジェームズ・ステューアート著『ウォール街 悪の巣窟』です。

1992年発売の絶版本なので、中古本市場か図書館で探すしかないですが、マイケル・ミルケンについて知ることのできる貴重な情報源です。

ただ、内容はマイケル・ミルケン氏についてというよりかは、1980年代のインサイダー取引をめぐる一連の事件の登場人物の紹介みたいなかんじです。

  • アイバン・ボウスキー
  • マーティン・シーゲル
  • デニス・レビンなどなど

登場人物が多すぎて、あの海外小説特有の「誰が誰だかわからない」という状態になりました。私だけかもしれませんが。

ですので、マイケル・ミルケン氏の生い立ちとか、哲学とか、そいうのを期待すると期待外れになります。

ただ、ノンフィクションとは思えないほど、非現実的な話で、読んでいて面白かったです。

また、司法取引の様は、ゲーム理論の実践版のようで、これまた興味深かったです。

※仲間が口を割る場合、できるだけ早く自分が口を割ったほうが有利になる。

判決を下す段階で、判事はこう述べている。「彼は有罪を認め、きわめて協力的であった。被告が提供した情報によって、ウォール街の悪の巣窟が明らかになった」。

『ウォール街 悪の巣窟』ジェームズ・ステュアート・小木曽昭元=訳 ダイヤモンド社 1992年12月17日 p210

ちなみに、登場人物の一人アイバン・ボウスキーは、映画「ウォール街」のゴードン・ゲッコーのモデルだそうです。

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