【スネ夫っぽい】『竹中平蔵 市場と権力』を読んで

政治とか経済とかに疎い人も、たぶん「竹中平蔵」という名前を一度は聞いたことがあると思います。

ただ、聞こえてくるのは、「竹中平蔵のせいで」とか、「日本の政治から離れろ」とか、どちらかと言うと悪い声ばかりです。

なぜ竹中氏はここまで嫌われているのでしょうか?

私が竹中氏について知っていたことと言えば、「パソナの会長」であること、「労働派遣法の改正」を進めたこと、後は、「発言の度にバッシングされている」といったことくらいでした。

竹中氏が政治の中心で絶大な権力を持っていたのは「小泉政権時代」で、その頃の私は子どもだったので、「政治」も「法律」もまったく興味がありませんでした。

というわけで、なぜ彼がここまで嫌われているのかを知るために読んだのが『竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』(佐々木実)という本です。

目次

竹中平蔵

竹中平蔵

1951年3月3日

和歌山県出身

一橋大学卒業

実業家、経済学者

パソナグループ取締役会長

ほか、様々な企業に関わっています。

『竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』(佐々木実)は、竹中平蔵氏の「生まれ〜金融大臣として小泉政権に関わるあたりまで」が書かれた本です。

自伝本ではない(本人のインタビューは拒否された模様)ですが、関係者からの取材などによって、非常に詳細が書かれています。

竹中平蔵はスネ夫っぽい

読んでいてまず思ったのは、竹中平蔵氏は「スネ夫」っぽいなということです。

「スネ夫」というのは、テレビアニメ『ドラえもん』に出てくる「骨川スネ夫」のことです。

いつもジャイアンにくっついていて、
のび太をいじめている性格の悪い奴です。

家が金持ちなのをいつも自慢していますね。

また、頭が良く(ずる賢い)くて、自分に都合が悪くなると、いつも一緒にいるジャイアンさえ裏切るような性格の持ち主です。

竹中平蔵氏は、共同研究を自分の功績として発表したり、「これは総理(小泉)の意見だ」といったように権力者を盾に使って、権力の階段を上り詰めたような人間のようです。

また、何か重要な決定をする時も、自分にとって都合の良いメンバーのみを集めて、自分の意見を通そうとする人間のような印象を受けました。

「頭が良い」というか、
「非常にずる賢い」かんじです。

アメリカ式を日本に取り入れようとした?

『市場と権力』に書かれている竹中平蔵氏の大きな実績は、次の2つです。

  • 銀行の不良債権問題の解決
  • 郵政民営化

本書にはその過程のおける竹中氏の動きが書かれていますが、本書の内容をそのまま真に受けるなら、竹中氏は「アメリカの要望を実現するために政権を動かしていた」と解釈してもおかしくない動きをしています。

ちょっとビックリしたのは次の記述です。

「今、郵政の民営化をする必要はない」ー内心では竹中はそう考えていたのである。

『竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』佐々木実 講談社文庫  2020年9月 p328

当時は子どもだったのでうっすらとしか覚えていませんが、小泉さんは世間からけっこう人気があった気がします。

でも実態としては、急ぐ必要性のない改革に政治生命を賭けていたのです。

そして、中身もよく調べず、
国民はそういう人を選んだのです。

私も含めですが、「国のせい」とか言っている人に限って、ろくに政策も調べもせず、「なんか良さそう」というイメージで投票に行っている、あるいは投票すら行っていないのではないかと思います。

「自業自得」って言われても仕方ないですね。

竹中平蔵は究極のインサイダー

竹中氏の世間的な評価はどうあれ、
竹中氏はめちゃくちゃ頭が良いし、
めちゃくちゃ仕事ができます。

それは間違いないです。

権力者の家庭に生まれたわけでもない竹中氏は、知能とコミュニケーション能力を使って、日本を変えることのできる立場にまで上り詰めました。

素直に「すごい」と本書を読んで思いました。

ただ、アメリカに迎合しすぎた?のと、身内の利益を追求しすぎた(本人はどう思っていたか不明だが、結果的に利益を出した)のが、嫌われている原因なのかなと思いました。

ちなみに竹中氏は本やYouTubeなどで情報を発信していますが、竹中氏からお金を稼ぐ方法、成功する方法を学ぶのは無駄だと思いました。

※そういう情報は発信していないかもしれませんが

理由は、竹中氏の今の成功は「究極のインサイダー」であったことが要因だからです。

『市場と権力』には、「木村剛」というもう一人の重要人物も出てきますが、木村氏もインサイダーの立場を利用して超大金を稼いでいます。

  • 結果的に捕まって有罪判決を受けています
  • 『投資戦略の発想法』といった金持ち本を出版しています
  • 節約と仕事を頑張ることを成功の条件として提示していますが、木村氏自身は、インサイダーとして成功しています
  • ここでいう「インサイダー」とは、株の取引のことではなくて、法律を作ったり規制を撤廃する立場になることや、そのような立場にある人と関係を持つことです。

お金持ちになる方法っていくつかありますが、確実にお金持ちになる方法って、たぶんインサイダーになることですよね。

企業が特定の政治家を応援するのも、
似たようなものだと思いますし。

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