「そろそろ会社を辞めて、自分の力で生きていきたい」 そんなふうに考えているあなたに、ぜひ伝えておきたいことがあります。
それは、会社を辞めた瞬間、あなたは“ただの人”になるという現実です。
いくら社内で評価されていようが、どれだけ立派な肩書があろうが、会社を一歩出たら、あなたがやってきたことの大半はリセットされてしまいます。
これは脅しでも煽りでもなく、私自身が身をもって痛感した、リアルな話です
社内評価も肩書も、会社の中だけのもの

もしあなたが今、上司や同僚からの評価を気にして、毎日仕事をしているとしたら──「その努力が報われるのは、会社の中だけ」だと伝えたいです。
会社の外では、会社内での評価は通用しません。
重要なのは、あなたが何をできるか(スキル)と、どんな経験を積んできたか(実績)だけです。
ブランド企業に勤めていたことが武器になる場面もあるかもしれません。 でもそれは一時的なものです。
本当の意味で信頼されるのは、目の前のクライアントや顧客に価値を提供し、結果を出せるかどうかです。
つまり、会社という後ろ盾を失った時、自分には何が残るのか? それを直視しないまま飛び出すと、現実の厳しさに打ちのめされてしまいます。
「何者でもない」に戻る瞬間

私自身、過去に2度、会社を辞めて独立しようと試みた経験があります。
1度目も、2度目も、うまくいきませんでした。
会社を辞めた瞬間、それまでの肩書も社内での立ち位置もすべて消えました。 人脈も、紹介も、頼れる人もいない状態。
いきなり社会に放り出されたような、孤独で無力な感覚に襲われました。
どんなに社内で褒められていたとしても、それはそのコミュニティ内だけの評価だったのだと気づかされました。
社外で生きていくには、別のルールを知らなければならない

組織の中で生きていくためのルールと、 個人として生きていくためのルールは、まったく違います。
前者は「空気を読む力」や「社内政治」がモノを言う世界。 後者は「結果」と「価値提供」がすべてです。
外の世界では、上司に褒められても意味がありません。 クライアントや顧客に評価されなければ、仕事は続きません。
その世界に飛び込む覚悟と準備が必要です。
経験とスキルだけは、裏切らない

唯一、会社を辞めても残るものがあります。 それが、“経験”と”スキル”です。
私が会社で学んだマーケティングや分析のスキル、クレーム対応や提案資料の作成、無駄に思えた残業の日々…… それらは、会社を辞めたあとも確かに自分の中に残っていて、のちにフリーランスとして仕事を得るきっかけになりました。
だからこそ、今あなたが会社にいる間にやるべきことは、 “評価されるため”ではなく、”経験を積み、スキルを磨くため”の行動です。
社内で目立たなくてもいい。 でも、目の前の業務に本気で向き合い、自分の血肉になる経験を積むこと。
それだけは、必ずあなたを救ってくれます。
まとめ:あなたが退職した瞬間、肩書は消える

「辞めたら何者でもなくなるのは怖い」
そう思うのは、当たり前です。
でも逆に言えば、会社という看板なしで生きていける力を身につければ、どこででもやっていけるということでもあります。
だからこそ、今のうちに、自分のための“経験”と“スキル”を積み上げていきましょう。
あなた自身を救えるのは、役職でも社内評価でもなく、“積み重ねてきたこと”だけなのです。