「今月のユーザー数は〇〇だった」
「コンバージョン率は〇%だった」
Googleアナリティクスやその他データ計測ツールを使って、Webサイトのデータ計測をしている企業は多いと思います。
ですが、そのデータ、ネット上だけで完結していませんか?
現場とネット上のデータを照らし合わせないと意味がない

Webサイトを運営している企業の中には、Googleアナリティクスなどのデータ計測ツールを利用して、アクセスデータの計測をしているところもあると思います。
あなたがWeb担当者であれば、Googleアナリティクスによって計測されたデータを解析することは、数ある仕事の中の一つかもしれません。
ただ、メインの集客がインターネッットという企業でなければ、アクセス解析されたデータはほとんど活用されていないかもしれません。
どうでしょうか?
ですがここでは仮に、活用されているという前提で話を進めていきます。
また、私が今回ここで述べようと思っているのは、リアル店舗を持っていたり、一般的な事務所のあったりする企業を想定しています。
完全にインターネッットのみの企業で今から述べることができていなかったら、論外にもほどがあるので。
それは、タイトルにもあるように、実際のお客さんの数とデータ計測上の結果を照らし合わせて効果測定をしなければ意味がないと言うことです。
インターネッットのデータ計測の世界では、よく、「ユーザー」とか「コンバージョン」とか、こういったわかりづらい言葉を使います。
ユーザーはまだしも、コンバージョンって何?という話じゃないですか?(笑)
ユーザーというのは、Webサイトに訪れた人のことです。
コンバージョンというのは、Webサイトで達成したい目標のことです。
たとえばECサイトの場合、商品が一個売れたら、コンバージョン数1というようなかんじです。
旅行の予約サイトなら、予約が入ったらコンバージョン数1です。
インターネッットの世界では、このように「ユーザー」や「コンバージョン」といった言葉が使われるのですが、この言葉のせいもあるのか、リアルな現場の世界とインターネットの世界を切り離して考えてしまうケースが多々あります。
たとえば、あなたが美容院のWebサイトを管理しているとしましょう。
美容院サイトのユーザーとコンバージョンは実際に髪を切る人の数とは異なる

あなたは美容院のWebサイトを管理していますが、実際にお客さんを接客し、髪を切ったり髪を染めたりするのは別のスタッフだとします。
あなたはWeb担当として、
データ解析ツールでWebサイトのデータを計測します。
そしてその結果を店長に報告するとします。
店長「うちのWebからの集客はどうだ?」
あなた「ばっちりです。12月のコンバージョン数は600です」
店長「そうか、それはよかった。引き続き頼むぞ」
その後店長は社長に12月度の集客状況の報告をしました。
店長「12月はどうだった?」
現場スタッフ「前年の12月と比べて売上が大きく落ちました」
店長「お客さんが減ったのか?」
現場スタッフ「12月の客数は300で、前年と比べてかなり減りました」
店長「何?Web担当から聞いてた話と違うぞ」
そして、あなたは社長からお呼び出しをくらい、詳細の説明を求められたのでした。
ざっくりにもほどがあるくらいざっくりですが、つまり何が言いたいかというと、実際の現場のデータとインターネッット上のデータは一致しないということです。
正しいのはリアルな現場のほう
商品やサービスの購入がリアルな現場で発生するビジネスに関しては、きちんと現場とデータを照らし合わせないと、Web上の施策がうまく機能しません。
たとえば、上の美容院の例で言えば、仮にコンバージョン数600が良い数値であるとするなら、Web担当者の施策がうまくいっているということになり、
ということは、何の施策も打たずに現状維持を続けてしまうかもしれませんし、あるいは、たいして効果のない施策を続けてしまうかもしれません。
商品やサービスの購入がリアルな現場で発生するビジネスに関しては、あくまでも重視するべきデータは、実際の売上、現場の来客数です。
インターネッット上のデータだけでどれだけ論じても意味がありません。
なぜデータは乖離するのか?

Webマーケターとしてこんなことを言うのもどうかと思いますが、インターネット上のデータは、あくまでも参考指標の一つに過ぎません。
なぜなら、インターネット上の計測データは見えない部分がたくさんあるからです。
たとえばですよ、先ほどの美容院を再度例に出しましょう。
美容院のWebサイトに訪れる「ユーザー」は、誰もが美容院にとっての見込み客でしょうか?
違いますよね。
Webサイトに訪れるユーザーには、見込み客以外の人たちがたくさん含まれています。
たとえば、たまたま検索でたどり着いただけの人、競合他社、自社IPアドレスの除外設定をしていなければ、自社スタッフからのアクセスも含まれます。他にも、スタッフとして働きたい人たち。
ユーザーには、こういったたくさんの人たちが含まれ、そして、それが実際に誰なのかはわかりません。
次いでコンバージョンですが、美容院のWebサイトからお問い合わせしたユーザーは、誰もが髪を切りたい人でしょうか?
まぁ予約フォームから予約した人は、さすがに髪を切りたい人かもしれませんが、たとえばお問い合わせフォームからお問い合わせをするような人たちや、電話をしてくる人たちは、必ずしも髪を切りたい人たちではありません。
営業時間を知りたいだけの人たちかもしれないし、働きたい人たちかもしれないし、クレームを入れたい人たちかもしれません。あるいは、ただの迷惑メール(スパム)かもしれません。
こういった人たちは、インターネット上のデータとしては「コンバージョン1」としてカウントされますが、実際の現場のデータとしては、客数にはカウントされないし、売上にもならないですよね?
これが、リアルとインターネッットが乖離する理由です。
現実を重視しよう

インターネッットが現実じゃない、というわけではないですが、やはり、正しいのは現場のデータです。
正しいのは実際に目の前にいるお客さんで、手渡されるお金です。
Web担当者はインターネット上のデータだけを管理していれば良いと思いがちですが、それではいつまでたっても評価されません。
蓋を開けてみたら、そのデータは大きく現実と乖離しているかもしれないのですから。
現実を知ってこそ、インターネット上でも有効的な施策を打つことができるのです。
まとめ
- インターネット上のデータだけを見ても意味がない。
- 現実のデータ(実際の客数や売上)を把握したうえで、インターネット上のデータを分析すること。
- インターネット上の計測データにおける「ユーザー」や「コンバージョン」には、クレーマーやスパムなど、お客さん以外の人たちが含まれている。