
SEO対策の競合調査ってどうやってやればよいですか?

現役でSEO対策の仕事をしている私が、お金をかけずにできる競合調査を解説します。SEO対策をするうえで競合調査は必須なので基本をマスターしましょう。
SEO施策の実施前に競合調査をしよう

SEO対策をするうえで競合調査は必須です。
競合調査が必須の理由
- 評価されているサイトには評価されるためのヒントがたくさん。コンテンツを作る前に評価されるためのヒントを掴むため。
- 競合サイトには自分が見落としているアイデアがあるかも。「これは書く予定になかった」という内容を事前に見つけるため。
- 同じような内容のコンテンツを投下しても評価されない。事前に競合を調査して差別化を図るため。
たとえばあなたがある映画のレビュー記事を書くとしましょう。
ページのコンテンツの内容の良し悪しで検索順位が決まるとします。
「映画タイトル」のレビュー
映画のあらすじ
感想:「めっちゃおもしろかったー」
上の内容の記事を投稿したとします。
この時、仮にすでに同じような内容のページが検索結果にあった場合、あなたが書いた記事はすでに存在するページに勝つことはできません。
実際の検索順位は単純にページの内容のみで決まるわけではないので、同じような内容であっても、後から書いた記事や、内容の薄いページが上位に表示されることもあります。
ですが基本的には、すでに存在するページよりも上位に表示させようと思ったなら、すでに存在するページの内容にプラスアルファの内容を追加してコンテンツを投稿する必要があります。
たとえとしてあげた映画のレビュー記事であれば、あらすじや感想に加えて、キャスト情報や映画のトリビア的なものを入れるといったようにです。
Googleは重複コンテンツを嫌っていますが、検索ユーザーにとっても、同じような内容のページはいくつも必要ないです。検索に手間がかかって、むしろ邪魔になります。評価されるためには、コンテンツにオリジナリティが必要になります。
そしてそのオリジナリティを生み出すためには、競合調査が必要なのです。
ちなみに、
企業サイトでもブログの記事を書くのでも、基本の考え方は同じです。
目標キーワードで検索する

それでは競合調査を始めていきましょう。
まずは狙いたいキーワードで検索をしてみましょう。
ブログの記事を書いたり企業サイトのコンテンツを作る際には、目標キーワードを設定すると思います。
たとえば、渋谷の脱毛クリニックを紹介する記事を書く場合には、目標キーワードを「渋谷 脱毛」と設定します。
ちなみにですが、企業サイトでよくあるのが、目標キーワードで検索せずに「うちの競合は○○さんだよ」と決めつけてしまうことです。注意点としては、リアルな場での競合とオンラインでの競合は異なる場合があるということです。
たとえばオンラインの場では、一般個人のブログでさえ競合になり得ることもあります。ですので、きちんと目標キーワードで検索しましょう。
検索結果で確認するのは1ページ目に表示される10サイトくらいでOKです。
激戦のキーワードの場合には2ページ目3ページ目もチェックしますが、基本は1ページ目に入らないとクリックすらされないので、1ページ目の競合を調査し、1ページ目に入ることを狙います。(パソコンの検索結果を基準に書いています。)
競合サイトをチェックしよう
競合サイトをピックアップしたら早速チェックしていきましょう。
チェックする項目は以下です。
- ドメイン年数
- インデックス数
- 被リンク数や質
- metaタグの調査(<description>タグや<keywords>タグ)
- コンテンツの調査
上記チェック項目ですが、サイト単位でSEO対策をするのか、それとも単純にブログ記事を書く場合の競合調査なのかで、どこまでやるかは変わります。
たとえばブログ記事を書く場合に、目標キーワードから10サイトピックアップして、ドメインパワーやインデックス数などを全て調べていくかというと、答えはNOです。
やってはいけないわけではないですが、ブログの記事を一記事書くたびにやっていたらめんどくさいと思います。笑
ブログの記事や企業サイトのコンテンツを追加する場合などは、チェック項目の中でも競合の「コンテンツ調査」のみでOKです。
ただ、サイト単位で競合に勝ちたい場合には、競合サイトのインデックス数の調査や被リンクのチェックは必須です。
無料ツールを使って調査する
実際にチェックを始めていきましょう。今回は「SEOチェキ!」という無料のSEOツールを使います。

URLを入力する場所があるので、調査したいWebサイトのURLを入力しましょう。調査結果がすぐに表示されます。
たくさん項目が出ますが、
重点的に確認したい点は以下です。
- title→目標キーワードが入っているか。
- description→目標キーワードが入っているか。
- keywords→該当サイトがどんなキーワードを重要視しているかが確認できます。
- インデックス数→検索エンジンのデータベースに何ページ記録されているか。基本は多い方が良い。
- サーバ・ドメイン→どこのサーバを使っているか。ドメインを取得してからどのくらい経過しているか。
とくに注目したいのはドメイン年数やインデックス数です。
ドメイン取得から年数が長く経過している場合には、それだけ運営期間が長いということなので、ある程度ドメインパワーがあると考えられます。
また、ドメイン年数に加えてインデックス数が多い場合には、コンテンツの更新に力を入れていると考えられます。
そしてコンテンツの更新に力を入れているということは、SEO対策にも力を入れている可能性があります。
つまり該当サイトに勝つためには、こちらもSEO対策に力を入れて、頑張ってコンテンツの更新をする必要があるということにつながります。
各ページごとのチェック方法
<title>や<description>、<keywords>などは、通常各ページ異なるものが設定されています。
これらをチェックしようと考えた時、SEOチェキ!で一つずつURLを入力してチェックすることもできますが、ちょっと面倒です。
この場合は、WebページのHTMLソースを直接チェックしましょう。
- 該当のWebページで右クリック
- 「ページのソースを表示」(Macの場合)
- 「ctrl+F」(Windows)「command+F」(Mac)で検索窓表示
- 「title」「description」「keywords」をそれぞれ入力
「HTMLソースとか見たくない」という方は、「META SEO inspecter」というChromeの拡張機能を使うと便利です。

被リンクをチェックする
続いて被リンクチェックです。
上記ツールが無料で使えます。
被リンクの重要度は年々下がって来ていると言われていますが、今でも効果があります。
「コンテンツの質は絶対に勝ってるのになんで負けるの?」という場合には、被リンクが影響していることも多いです。
コンテンツの調査
最後のコンテンツの調査についてです。
ブログの記事を書く場合などは、このコンテンツの調査を行います。
やり方としては、目標キーワードで検索した時に表示されたページを一つずつチェックしていきます。
- ページのタイトル
- 文字数
- 目次(見出しの洗い出しをします)
- 権威性・専門性・信頼性があるか(たとえばニキビ予防についての記事のライターが皮膚科医であれば権威性・専門性・信頼性がある。)
- 独自性があるか(その人にしかできないような体験記事や面白い発想、裏話など)
- ライターのライティング力(余白や漢字、ひらがなの使い方など。全体的に読みやすい文章かどうか)
- 画像の有無(画像がオリジナルか素材サイトのものか)
競合調査をSEO対策に活かす
さて、
競合調査が終わりました。
でも本当に大事なのは「じゃあどうすれば良いの?」ということですよね。
世の中にはSEO対策用のツールがたくさんあります。無料のものもあれば、月々何千円何万円といったツールもあります。ですが正直な話、ツールだけあっても役に立たないです。
なぜなら、ツールが提供してくれるのは、あくまでも調査であって、「どうすれば勝てる」ということではないからです。
私は仕事の中で様々なツールを使ってきましたが、じゃあ勝つためにはどうすればいいか」という点については、結局のところ自分の頭を使わなければなりません。ツールだけで検索結果の上位を取れるなら、みんながそれを使いますし、そして結局はみんなが使うことで効果がなくなります。
どんな高機能なツールであっても、
ツールだけで検索上位に表示させることは無理なのです。
ですから頭を使う必要があります。
私が思うに、SEO対策とは傾向と仮説と検証のゲームです。
SEO対策では、絶対的に正しいと考えられることは少ないです。
あくまでも、こういう傾向にある、だからこうすれば良いのではないか?という方法を取っていくのが王道です。
【SEO対策の流れ】
「上位サイトには○○の傾向がある。だから○○をやった方が良いのではないかという仮説を立てます。それでは実際に施策を実施して検証してみましょう」
たとえば上位サイト(ページ)のコンテンツは文字数が多い→上位サイトよりも文字数の多いコンテンツを投下したら勝てるのではないか?といったイメージです。
SEO会社やSEO対策のプロは「傾向と仮説と検証」を繰り返し、大量のデータを持っています。その結果、一般の人よりも上位表示できる確率が高くなるのです。
SEO対策はある意味パクリ
SEO対策は「傾向と仮説と検証」のゲームであると書きましたが、これはある意味、SEO対策とは上位サイトをパクることとも言えます。
なぜSEO対策とパクリが紐づくかというと、SEO対策をするうえで最も正しいのは、SEO会社やSEO対策のプロではなく、検索結果だからです。
いくらSEO対策のプロが「こうした方がいい」と言っても、結果が出なければ正しいとは言えないし、「このサイトが評価されているのはおかしい」とわめき散らしても、そのサイトが検索結果の上位にある事実は変えられないのです。
SEO対策においては、
検索結果が全てです。
ですからSEO会社がお客さんに提案をする際にも、「上位サイトは○○しているから、御社もやってみましょう」といった提案になることが多いです。
コンテンツに関しても同じです。完全に同じものを作ってしまったら著作権違反ですのでNGですが、目標キーワードで上位表示させようと思ったら、競合ページの要素を調査のうえ参照する必要があります。
なぜなら、目標キーワードでそのページが上位表示されているということは、検索エンジンのロボットがそのページの内容を評価しているということだからです。
また、それは検索ユーザーが求めている情報ということでもあります。それに加えて、SEOではコンテンツの網羅性も評価の対象になるという点を考えると、必然的に、競合が書いている内容をこちらも書く必要性が出てきます。
オリジナリティを追加する

ただ、そうは言っても内容を丸ごとコピーするとか、そういうのは絶対にNGです。
大事なことは、「競合のコンテンツにはあるけど自分のコンテンツにはない」という状態をできるだけなくすことです。
極端な例で言えば、季節ごとの美味しい食べ物のコンテンツを作ったとして、競合は春夏秋冬の内容を書いているのに、自分は春夏秋しか書いていないといった状態をなくそう、ということです。
また、ただ競合のコンテンツの要素を網羅するだけでなく、オリジナリティを追加することも大事です。
たとえば季節ごとの食べ物のコンテンツで、競合が単なる食べ物の紹介にとどまっているとしたら、自分は実際に食べた感想や写真を入れるとかそんなイメージです。
SEO対策競合調査まとめ
以上で競合調査については終わりです。
はじめはめんどくさいと思うかもしれませんが、慣れてくるとささっとできるようになります。また、いろんなWebサイトを見ていると、思わぬアイデアが生まれてくることもあるのでオススメです。
あと余談ですが、競合からもあなたのWebサイトがチェックされていることもお忘れなく。気を引き締めて日々価値あるコンテンツを更新していきましょう。