Web制作とWeb開発はどう違うのか?業界構造を3層+フロント・バックの視点で解説

この記事を書いた人:青山
Web制作エンジニアマーケター(広告・SEO・アクセス計測・改善提案)・ライター
  • クリニック・金融・ECなど、様々な業種のSEO運用
  • D2C販売/リード獲得(Google/Meta広告など、幅広い媒体の取り扱い実績あり)
  • サイトの立ち上げディレクション〜コーディングまで対応
  • 自社メディア複数立ち上げ・Kindle出版
  • 企業メディアの運営支援、ライティング
  • 100社以上の計測・分析と改善提案
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「Web業界って興味はあるけど、制作と開発の違いがよく分からない」
「どこから学び始めればいいの?」

そんな疑問を解消するために、Web業界を3つの層に整理し、さらに混乱しやすいフロントエンドとバックエンドの役割まで具体的に解説します。

私自身は制作の人間ですが、スクールで開発について学んだことがあり、知人にも開発者がけっこういます。

そのため、開発についての話を聞くことも多いです。

その中で、Web制作とWeb開発って言葉としては近しいですが、キャリアとしては実はかなり違うなと思い、業界や職種選びに迷っている方向けにお伝えしようと記事にしました。

目次

Web業界は「ビジネス・制作・開発」の3層で理解するのが近道

Webに関わる仕事は、大きく分けると3つの層に分類できます。

  1. ビジネス・マーケティング層:ビジネスゴールを設定し、集客やブランド戦略を決める
  2. Web制作層:デザインとコーディングでWebサイトを形にする
  3. Web開発層:システムやアプリの設計・実装で高度な機能を実現する

たまに「Web制作=フロントエンド」、「Web開発=バックエンド」と言っている人もいますが、厳密には、Web制作にもバックエンドの分野がありますし、Web開発にもフロントエンドの分野はあります。

ビジネス・マーケティングについても、
Web制作・Web開発どちらにも存在します。

第1層|ビジネス・マーケティング層

最も上流に位置するのが、Webを使ってどうビジネスを動かすかを考える仕事です。

具体的には、ユーザー像を定義し、競合を分析し、集客の導線を設計するなど、Webサイトの「存在意義」を決める工程がここに含まれます。

  • 仕事内容の例
    • 市場調査、ユーザーインタビュー
    • コンテンツ企画、ブランド戦略立案
    • SEO設計、広告の運用管理
    • アクセス解析、コンバージョン改善施策
  • 代表的な職種
    • Webマーケター、Webディレクター、プロデューサー
  • 使用ツール
    • Google Analytics 4、Looker Studio、Microsoft Clarity、各種広告管理ツール(Google Ads、Meta Adsなど)

この層の人たちはコードを書かない場合が多いですが、最低限のWebの仕組みを理解しておくと、下流工程とやり取りする際にスムーズに仕事が進みます。

フリーランスの多くは、コーディングとディレクターの役割を一人で担っています。

中には、Webマーケティングをしつつ、コーディングの仕事も受けている人たちもいます。

第2層|Web制作(サイトを「形」にする」)

制作は、ビジュアルデザインとWebページの実装を通じてユーザーが実際に見る画面を作る仕事です。

初学者や未経験者が最初にチャレンジしやすいのもこの領域です。

ネットでよく、「どこでも働ける」と言ってパソコン1台でカフェで仕事をしている人たちがいますが、彼らの多くはWeb制作の分野で働いています。

その影響か、「パソコンでスキルを身につける」というと、Web制作の方をイメージしている方が多い印象です。

制作フロントエンド

  • 仕事内容
    • デザインデータ(Figma、XD、Photoshop)をもとにHTML/CSS/JavaScriptでコーディング
    • 画像や動画の最適化、レスポンシブ対応
    • WordPressなどCMSのテーマカスタマイズやプラグインの設定
  • 特徴
    中小規模の案件では、フロントエンド担当者が軽いPHP改修を行い、フォームの動きを調整したり、条件分岐を追加したりすることも多いです。
  • 技術例
    HTML、CSS(Sass)、JavaScript、WordPress、PHP(基礎)

デザインデータをもとに、HTML /CSS、簡単なjQueryのみを使いコーディングする職種は、一般的に「コーダー」と呼びます。

そこに加えて、JSなどでプログラムを実装したりする人のことを、フロントエンジニアと呼んだりします。

制作バックエンド

  • 仕事内容
    • サーバーやドメインの設定
    • 簡単なデータベース処理(問い合わせフォームなど)
    • サイトの高速化・セキュリティ対応

制作寄りバックエンドは開発ほど大規模なシステムを組むわけではなく、WordPressやレンタルサーバー環境で完結する範囲が中心です。

制作会社の規模によりますが、小さいところは、一人でフロントもバックも対応するケースが多いです。

一方で、少し大きめの会社だと、分業体制が整っていて、フロントとバックが完全に分かれています。

この場合、バックエンド対応者のことを、バックエンドエンジニアや、プログラマーと呼ぶことが多いです。

第3層|Web開発(システム・アプリを作る)

ここから先は本格的なプログラミングの世界です。

ログイン機能、決済、チャットなど、
動的なサービスをつくる領域を指します。

Web制作をやっている人が「自分はエンジニアだ」と言うと、「それは違う」と怒ったりする人がいますが、開発エンジニアの中には、「Web制作はエンジニアの領域ではない」と思っている人たちも存在します。

実際、Web制作は開発ほど高度なプログラムを書くわけではないので、本格的にプログラミングをやりたい人は、Web開発の方が向いています。

開発フロントエンド

  • 仕事内容
    • ReactやVue、Next.jsなどを使った開発
    • APIとの通信、状態管理、UX改善
    • モバイルアプリに近いWeb体験の実装
  • 求められる力
    HTML/CSS/JSの基礎に加え、JSフレームワーク、パフォーマンスチューニング、テストコード記述など。

開発バックエンド

  • 仕事内容
    • サーバーサイドのAPI設計・開発
    • データベース設計とチューニング
    • ユーザー認証、決済、セキュリティ対策
    • 要件定義(Requirement Definition):クライアントやチームと「何を作るか」を徹底的に決め、機能の優先度を整理する工程。大規模開発では特に重要で、ここが甘いと後の工数が爆発的に増えます。
  • 技術例
    PHP(Laravel)、Node.js(Express)、Ruby on Rails、Python(Django)、AWS

Web制作とWeb開発の違いについて、現場で話を聞いていて思うことは、Web開発では、開発前の用件定義や設計などにかなり時間をかけているイメージです。

それに対して、Web制作の場合、小中規模の場合、あまり設計に時間をかけずに作るケースも多いです。

テスター(品質保証の重要な役割)

  • 仕事内容
    • 開発されたシステムが仕様通りに動くか確認する
    • バグの洗い出し、再現手順の報告、テストケースの作成
  • 特徴
    コードをほとんど書かない場合もあり、IT業界の入り口として未経験から挑戦しやすいポジションです。

Web開発特有の職種として、
テスターというものがあります。

Web制作の場合、簡単な検証は開発した本人やディレクターがやるケースが多いですが、開発の場合、テスト工程が存在し、テストに特化したプロフェッショナルも存在します。

制作フロントと開発フロントの違いまとめ

同じ「フロントエンド」でも、制作と開発では仕事の規模とスキルが全く違います。

制作フロント開発フロント
主な技術HTML/CSS/JS、WordPressReact/Vue/Next.js、API通信
ゴール静的ページやCMSサイト高度なWebアプリ
難易度初〜中級中〜上級
働く環境制作会社、フリーランス案件開発会社、自社プロダクト

働き方の違い

Web制作とWeb開発では、
働き方にも違いがあります。

一般的に、Web制作では自社制作(受託開発)が多くなり、Web開発ではSESが多い傾向にあります。

SESというのは、開発を依頼した会社内(所属会社とは別)で働く働き方です。

【SESの構造】

  • 開発や保守を依頼したい企業がエンジニアやテスターを募集
  • エンジニアを抱えている会社が営業(依頼会社との面談があります)
  • 面談に合格したら、依頼元企業で働く
  • 依頼元企業がSES会社に支払う
  • 数十パーセントの売上をもらい、その残りをエンジニアに支払い

Webエンジニアを目指そうとする人の中には、SESを嫌がる方も多いです。

  • 面談に通らないと仕事がない(何の仕事もない時期が発生する可能性がある)
  • プロジェクトが終わったら別の案件を探さないといけない
  • 依頼元企業のルールに従わないといけなくなる

ただ、様々な案件に関われたり、人間関係にそこまで悩まされない(プロジェクトが終わればお別れ)といったメリットもあります。

Web開発にも受託企業が存在しますが、
入りたい人が多いので競争率が高めです。

初学者がまず目指すなら?

  • 制作フロント:最も入りやすく、基礎のHTML/CSS+WordPressから始める
  • 開発フロントorバック:プログラミングを本格的に学びたい人はJSフレームワークやPHPフレームワークへ進む
  • テスター:未経験からIT業界に入るならテスト業務からも選択肢になる

単に、「IT業界に入りたい」とか、「パソコ1台でどこでも働けるようになりたい」とかであれば、間違いなく制作に進んだ方が、スピーディーにお金を稼げるようになります。

一方で、制作エンジニアは比較的早い段階で年収が頭打ちになるというデメリットがあります。

  • コーダー:〜400万円程度
  • フロントエンジニア:〜600万円程度

年収1,000万円〜を超えているコーダーはかなり少数だと思います。

それに対して、開発は1,000万円プライヤーになれる確率がもう少し高いです。

なので、もしもあなたが20代前半くらいで、将来的に1,000万円を狙っていきたいなら、制作よりも開発エンジニアとしてキャリアを築いた方が、間違いなく期待値が高くなります。

とはいえ、未経験からWeb開発エンジニアはハードルが高い面もあるため、まずは制作フロントや、比較的入りやすいテスターからキャリアを積むのもありです。

まとめ

  • Web業界はビジネス→制作→開発の3層に整理できる
  • 制作・開発の中にはさらにフロントエンドとバックエンドがあり、スキルの深さが異なる
  • 開発では、要件定義やテスト工程も重要
  • キャリアを積むなら「制作フロント→開発」や「テスター→開発」など、段階的なステップが現実的

事前にしっかりと調べてからでないと、
キャリア構築に遠回りになりかねません。

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