【キャリアを広げるITの基礎】Webデザイナーの教養としてのITパスポート

この記事を書いた人:青山
Web制作エンジニアマーケター(広告・SEO・アクセス計測・改善提案)・ライター
  • クリニック・金融・ECなど、様々な業種のSEO運用
  • D2C販売/リード獲得(Google/Meta広告など、幅広い媒体の取り扱い実績あり)
  • サイトの立ち上げディレクション〜コーディングまで対応
  • 自社メディア複数立ち上げ・Kindle出版
  • 企業メディアの運営支援、ライティング
  • 100社以上の計測・分析と改善提案
学ぶだけで終わらせない。実務で成果に変える学びをメルマガで配信中。

「デザインはできるけど、システムのことを聞かれるとちょっと不安」

「ディレクターの話が難しくて、会議で黙ってしまうことがある」

そんな悩みを抱えるWebデザイナーは少なくないと思います。

私はWebデザイナーではないですが、Web業界に入って間もない頃、プログラマーから「SQLインジェクション」が何たらかんたらと言われ、知ったかぶりをしたまま会話していたことがあります。

Webの仕事に関わる以上、サーバー、ドメイン、CMS、SEO、セキュリティなど、ITの仕組みの理解は欠かせません。

そんな「ITの基礎」を横断的に学べるのが、ITパスポート試験です。

この記事では、ITパスポートを教養として学ぶ意味と、その知識がWebデザイナーのキャリアを広げる理由を解説します。

目次

ITパスポートはITが苦手な人のための入門資格

ITパスポート試験は、経済産業省が認定する国家資格で、情報処理技術者試験の中でも最も基礎的なレベルに位置します。

エンジニア向けの「基本情報技術者」とは違い、
ITパスポートは「ITを使うすべての職種向け」の資格です。

そのため、大学生や、これからWeb/ITの世界に入ろうとする人たちが受けるケースも多いです。

出題内容も幅広く、

  • ITの基礎構造(ネットワーク・セキュリティなど)
  • 経営・会計・マーケティング
  • プロジェクト管理・開発の流れ

と、広く浅く、
IT全体の理解が問われます。

複雑な計算が必要なものではないので、文系だからといって苦手意識を持つ必要はありません。

とはいえ、私は大学を卒業したばかりの頃、ITパスポートを受けようと思いましたが、テキストを見て意味不明すぎて何の勉強もせずに受験を断念した過去があります。

再度勉強する気になったのは、
Web業界に入ってからです。

WebデザイナーがITパスポートを取ると得られる3つのメリット

では、WebデザイナーがITパスポートを取得すると、どんなメリットがあるのかを見ていきましょう。

① クライアントとの会話がスムーズになる

デザイン打ち合わせの中で出てくる、
「SEO」「サーバー」「アクセス解析」。

勉強したことがないと、意味が分からず、会議中にただうなずくだけになってしまうこともあるでしょう。

コーディングも行うWebデザイナーであれば、SEOの知識は多少なりともあると思います。

ただ、サーバーや、セキュリティ、テストとなると、「はて?」となってしまうデザイナーもいるのではないでしょうか。

ITパスポートの勉強をすることで、サーバーやセキュリティ、テストといった、Web/IT全般の知識を体系的に学ぶことができます。

② サイト設計やディレクションの理解が深まる

ITパスポートでは、プロジェクト管理や開発工程の考え方も試験範囲に含まれます。

この知識を持つと、「スケジュールの組み方」「要件定義の流れ」「外注とのやりとり」などが自然と理解できるようになります。

つまり、ただ作る人から、進行管理ができる人になれます。

そして、進行管理ができるようになると、それはWebデザイナーの枠を超えた仕事をできるようになるということでもあり、スキルアップにつながります。

③ キャリアの選択肢が広がる

Webデザイナーとして経験を積むうちに、
「クライアントの課題を解決する立場になりたい」
「UIだけでなく、UX全体を設計したい」
と感じる瞬間がやってきます。

「自分だったらもっとこうするのに…」と、
より上流工程からやってみたくなる日が来るはずです。

そのときに必要になるのが、
Webの総合的な知識です。

クライアントの課題は様々で、「デザインだけ綺麗ならOK」というケースは、ないか、あっても少ないです。

  • リニューアルと同時にサーバーのスペックを上げたい
  • リニューアルしてもSEOの順位を落としたくない
  • 決済システムを導入するのでちゃんとテストしてほしい

こういった様々な課題に応えるためには、デザインを超えた知識が必要になります。

ITパスポートで得られる基礎知識があれば、ディレクター・マーケター・プランナーなど、上流工程へのキャリア転換もスムーズになります。

ただ、資格そのものの評価自体は限定的

資格で勉強する内容自体には価値がありますが、資格証明という点で見ると、ITパスポートを持っているからといって、「ぜひうちに来てほしい」とはなりません。

下記記事でも書きましたが、Web業界で大事なのは、あくまでも実績(ポートフォリオ)です。

あわせて読みたい
Web制作に基本情報技術者試験は必要?デザイナー・エンジニア別に解説 Web制作を学んでいる方や業界で働き始めたばかりの方の中には、 「基本情報技術者試験って取ったほうがいいの?」「デザイナーやエンジニアとして就職・転職に有利にな...

だから資格だけを武器に転職するのは難しいです。

ただ、資格で学んだことを使ってキャリアアップすることはできますし、異業種への転職や新卒就活なら、「ITの基本は理解している証明」になります。

勉強時間とおすすめ学習法

  • 学習期間:30〜50時間
  • 合格率:約50〜60%
  • CBT(パソコン受験)形式で通年受験可能

上記勉強時間は一般的に言われているのものですが、セキュリティや開発工程など、見慣れない用語が多いかもしれないので、場合によってはもっとかかるかもしれません。

CBTは好きな日を選んで受験できるので、焦らずに確実に1回での合格を狙っていきましょう。

学習方法は、書店で売れている参考書を1冊購入し、あとは過去問をひたすら解きましょう。

過去問は書店で購入しても良いですし、「ITパスポート試験ドットコム」という有名なサイトもあります。

他資格との違い

資格名難易度主な内容向いている人
ITパスポートIT・経営・セキュリティ幅広く理解したい人
ウェブデザイン技能検定デザイン実技制作志向の人
Webクリエイター能力認定HTML/CSSコーディング寄りの人
基本情報技術者プログラミング・アルゴリズム技術職志向の人

基本情報技術者は、ITパスポートの上位資格にあたります。

社会人になってから、机に向かって行う勉強からは少し離れてしまっている方もいるかもしれません。

その場合は、まずはITパスポートから始めて、学習習慣をつけるのが良いと思います。

まとめ

ITパスポートは、Web/ITの知識を幅広く学べるという点で、Webデザイナーにお勧めの資格です。

同じ系列の基本情報技術者の方が資格としては評価されますが、少し難易度が高いので、まずはITパスポートから始めるのがお勧めです。

この資格を学ぶことで、

  • 進行の流れを把握できる
  • クライアントに技術的背景を説明できる
  • ディレクションにも挑戦できる

つまり、作る人から、プロジェクトを成功に導く人へとキャリアを広げる第一歩になります。

ぜひ挑戦してみてください。

学ぶだけで終わらせない。実務で成果に変えるメルマガ
明日から使えるコーディング、ディレクション、広告・SEO・など、
実務ベースのノウハウをお届けします。
メルマガ詳細を見る
もしよろしければシェアお願いいたします。
目次