「最近、検索エンジンで調べなくなった気がする」
そんな感覚を持っている方は多いのではないでしょうか。
若年層のSNS検索、YouTube検索、そしてChatGPTやGeminiに代表されるAI回答型検索。
情報の探し方は、ここ数年で大きく変化しました。
実際、私自身、ほとんど検索を利用しなくなりました。
今までは、コーディングなどでわからない点があると、すぐに検索して、でも中々答えに辿り着けなくて、いくつものサイトの記事を読み、ようやく答えに辿り着けるという状態でした。
でも今では、その作業をAIが担ってくれます。
それも、たった数分で。
その結果、検索して、自分の問題を解決してくれる答えを見つけるという行為は、非効率的なものになりました。
このような急激な変化を目の前にして、
「検索エンジンが使われなくなったら、Webサイトは意味がなくなるのでは?」
と不安に感じる制作者・マーケターもいると思います。
でも安心してください。
この問いに対する答えは、明確です。
検索が衰退しても、Webサイトは不要になりません。
むしろ今まで以上に価値を持つ可能性があります。
この記事では、検索行動の変化を冷静に整理しながら、「ポスト検索時代のWeb戦略」をわかりやすく解説します。
「検索離れ」は本当に起きているのか?

まず、事実から整理します。
ここ数年の情報行動データを見ると、
とくに10代〜30代の情報探索は
「Googleで検索」ではなく
- SNSで検索(Instagram / TikTok / X)
- YouTubeで検索
- AIに直接質問
- レコメンドから選ぶ(アルゴリズム任せ)
へと急速にシフトしています。
「検索は終わる」と言われていたのは、生成AIが出る前からで、SNSが検索を代替すると言われていました。
ただ、それは若い世代限定の話で、「検索自体は引き続き利用されるだろう」というのが、業界の見方でした。
ですが、生成AIが普及したことによって、その見方も変わりつつあります。
思った以上に生成AIが高機能だったために、「検索はなくなる可能性がある」と言われ始めているのです。
現代のユーザーは、
自分で探すよりも最短で正解に辿り着きたいと考えています。
だからそれを実現してくれる生成AIに、検索行動が代替され始めているのです。
ただ、この変化を「検索が使われなくなった」と捉えるのは誤りです。
正しくは、こうです。
情報を探す入口が多様化している。
入口が複数化しているだけで、
情報が不要になったわけではありません。
検索離れが意味するのは入口の変化であってサイト不要ではない

多くの人が誤解しているのはここです。
検索しなくなる
→ Webサイトに訪れない
→ Webサイトは不要になる
この連想には飛躍があります。
検索が入り口だった時代は、
「Google → 記事 → サイトトップ → CTA」
という導線が典型でした。
しかし、これからは
- SNS → サイト
- YouTube → サイト
- AI検索 → サイト
- 口コミ → サイト
- DM/メルマガ → サイト
と入口が分散していきます。
つまり、入口は変わりますが
最終的にたどり着く「公式情報源」は変わらないのです。
ユーザーは意思決定をする前に、必ず確かめに来る。
Webサイトは、まさにその「最終確認の場所」という役割を持ち続けます。
検索エンジン時代とこれからのWebの決定的な違い
| 比較軸 | 検索時代 | ポスト検索(これから) |
|---|---|---|
| 流入 | Google依存 | 多様な入口からの流入 |
| 評価 | PVの多さ | 信頼・一次情報 |
| サイトの役割 | 集客の入口 | 情報の母艦(信頼の倉庫) |
| コンテンツ | ライティング最適化 | 権威性・経験・透明性 |
| SEO | キーワード | 引用・参照・証拠 |
今後のWebは、
クリックされるサイトより、
引用されるサイト、参照されるサイトが評価される
という変化が起きていきます。
PVが目的ではなく、
「意思決定の最終地点として選ばれる」ことが価値になるのです。
ポスト検索時代に「Webサイトが評価される指標」

これからのサイトに求められるのは情報量ではありません。
もう情報そのものには価値がありません。
価値があるのは、その情報に対して何を考えるか、どんな体験をしたかです。
つまり、信頼できる一次情報です。
たとえば、
- 実績・事例の公開
- レビュー・お客様の声
- 制作の裏側・プロセス・失敗談
- 社名・顔・ストーリー
- 価格・納期・要件の透明性
- 検証や実験データ
単なる情報は、生成AIによって数秒で生成されてしまいます。
でも、その人、その会社にしか発信できない情報は、生成AIには作れません。
だからこそ、価値があるのです。
Webサイトに戻ってきてもらう仕組みが中心になる

かつては
「サイトでSEOの集客→問い合わせ」
という一本道でした。
しかし、これからはこうなります。
広告・SNS・AI・口コミ→Webサイト(帰着点)→メルマガ/LINE/ダウンロード資料→商談・購入
入口を多様化させ、
サイトが「出口ではなく母艦」として機能する構造。
もっとシンプルに言うと…
訪問して終わりではなく、
関係性をつなぎ止める導線が必要になる。
これが、AI時代のWebサイトの役割です。
今日からできること

検索が使われなくなる=SEOの役割も変化するということですが、AI時代においても、SEOの基本的な概念は生き続けます。
- 権威性のある情報(専門性)
- 信頼できる証拠(実績・裏付け)
- 役立つ一次情報(経験・比較・検証)
これらは、AI時代においても絶対に評価されます。
AI時代のWeb戦略の鍵は「引用・参照されること」
AIにおいて重要な概念は、
「回答の根拠として参照されるサイト」になれるかどうか です。
これは、従来の検索エンジンのアルゴリズムと本質的に大きくは変わりません。
たとえば、
- サイトの信頼性を高める(関連するサイトからのリンク)
- SNSや外部メディアでの言及(評判)
- 実名・実績・事例の公開(権威性)
- 単なる情報ではなく、一次情報をストックし続ける
これらは、検索エンジンにもAIにも強い指標です。
AI対策(LLMO)で注目されている実践的アプローチ
最近のAI最適化で語られているのが、
ユーザーがAIにする質問を想定して、
その答えをサイト内に用意しておくということです。
AIは、膨大な情報の中から
「質問と回答のペア」になりやすい情報を優先して参照します。
そのため、サイト側で
- 質問形式の見出し
- QA形式のコンテンツ
- How・Why・Shouldなどの意思決定ワード
- 問題→理由→解決策の構造
を用意しておくと、
引用の可能性が高まります。
特別何か難しいことをする必要はない
「AI時代」と聞くと、構えすぎてしまう人も多いですが、本当に必要なのは派手な新技術ではありません。
たしかに、AIに参照されやすくなるためのテクニカルな方法は存在します。
でもそれよりも大事なのは、
当たり前のことを当たり前にやることです。
- 実績をこまめに記録する
- 失敗例や改善例も公開する
- できるだけ一次情報で語る
- 読者(顧客)が抱く質問を先読みして回答する
- 根拠ある情報を蓄積し続ける
これらは、AIに評価されると同時に、ユーザーにも評価される情報でもあります。
つまり、ユーザーにとって価値あるサイトは、AIにとっても価値あるサイトになる可能性があるということです。
まとめ
検索エンジンの利用は確実に減少しています。
しかし、それは「Webサイトの終わり」ではありません。
変わるのは入口です。
変わらないのは公式情報を確認する場所が必要であるという現実です。
- SNS検索
- YouTube検索
- AI検索
- レコメンド消費
- 口コミ・DM・コミュニティ
入口が多様化するほど、
ユーザーは意思決定の前に「確かめに来る場所」を求めます。
その役割を担い続けるのがWebサイトです。
だから、ポスト検索時代を生き抜くために必要なのは、小手先のSEOテクニックではありません。
- 信頼性
- 権威性
- 一次情報
- 透明性
- 実績と根拠
この5つを積み上げ、
引用・参照されるサイトとして認識されること。
AI・SNS・他メディアが参照する情報源になれば、
検索に依存しない安定した集客が成立します。
そして安心してほしいのは、
何も「新しいことを全部始めないといけない」という話ではないことです。
今日からできる小さな積み重ねで十分です。
検索の終わりは、Webの終わりではありません。
むしろ、Webが公式の情報源として必要性を増す時代が始まろうとしています。
変化を恐れる必要はありません。
AI時代は私たちの生活をより便利なものにしてくれるはずです。
そんな未来を信じてできることをやっていきましょう。

