- 最近モチベーションが上がらないという方
- なぜあの人はあんなに向上心があるのだろうか?そして自分にはなぜないのだろうか?と思っている方
野心や向上心、モチベーションは、「なりたい」と「なりたくない」の2つの側面から生まれるエネルギーだということを解説します。
誰かになりたいと思った時となりたくないと思った時に感じる強烈なエネルギーの話
あなたには尊敬する人がいますか?
芸能人や有名人、会社の上司や両親など、「あの人みたいになりたい」という人がいますか?
憧れの人がいるというのはすごく良いことだと思います。
なぜなら、憧れは目標となり、目標があると人は頑張ることができるからです。
会社で働いていて、憧れの人は「上司」と自信を持って言える人はすごく幸せだと思います。
逆に言うと、会社で働いていて、「尊敬できる人」が誰もいない、それどころか「尊敬できない人たち」ばかりという人は、すごくかわいそいというか、もったいないと思います。
なぜもったいないと思うかというと、憧れの人、尊敬できる人の下で働くことができれば、「あの人みたいになりたい」というモチベーションが生まれ、そしてそれを仕事に活かせるのに、そうでない場合には、その強力なモチベーションが使えないからです。
ただ一方で、「尊敬できない」の度合いが大きい場合には、見方を変えると「あの人みたいになりたくないから頑張ろう」という、ある意味負の側面を持ってはいますが、「あの人みたいになりたい」と思うモチベーションと同じくらい強力なモチベーションを得ることも可能です。
憧れが強烈なモチベーションになるというのは誰しも経験があると思うので、この記事ではどちらかと言うと「なりたくない」という負のモチベーション寄りな話をしようと思います。
「あの人みたいになりたくない」というエネルギーでも、人は頑張れる
はじめに「あなたには尊敬できる人がいますか?」という質問をしましたが、今度はまた別の質問をします。
「あなたには尊敬できない人がいますか?」
「絶対にあんな人にはなりたくない」「あんな人生は送りたくない」と思う人はいますか?
きっといるはずです。
いつも怒ってばかりいる上司とか、セクハラやパワハラをするような上司とか。全く家に帰ってこなかった父親とか。ゴミを漁っている都会のホームレスとか…
こういう人たちが悪いということではなくて、もちろんセクハラやパワハラは悪いですが、大事なのは、あなたがその人のことを想った時に「頑張ろう」と思えるかどうかです。
仮に「頑張ろう」と思えるのなら、
この力を有効に使っていったほうが良いです。
上司みたいになりたくなかった
「あの人みたいになりたくない」という思いから生まれる強烈なモチベーションに私が気付いたのは、「その人がどんな人間になるかは、身近にいる人たちを見ればわかる」といようなことを本で読んだ時です。
その当時働いていた会社の直属の上司を目の前に、私は自分の将来がたまらなく恐ろしくなったことがあります。
悪い人ではなかったので嫌いではありませんでしたが、ただ、私は上司に尊敬の念を抱くことはできませんでした。
その上司はいつも「お金がない」と言っていて、給料日にはキャバクラに行って、毎日お酒を飲んで、たまに二日酔いのまま出社してくることもありました。
「自分の未来がこの人と同じなんて嘘だろ?嘘だと言ってくれ…」
でも心のどこかでわかっていました。
「このままだと自分も同じになる」
私だっていつもお金がなかったし、独立したいと思いながらひたすら独立のための準備をしているだけでした。
キャバクラに行ったことはありませんでしたし、人生に悲観してお酒を飲むこともありませんでしたが、自分も30代とかになって人生に諦念を抱くようになったら、お酒やキャバクラに逃げるんだろうなと、なんとなく思っていました。
何も変わらない…
でも何も変わらないからこそ、変わりたいと思う。
どこかで人生に諦めを抱きながら、一方で希望に溢れていた当時の私は、心の底から別の未来を望んでいました。
そしてこの「別の未来を望む思い」が、私の背中を強烈なエネルギーで押したのです。そしてそのパワーは、もう何年も経って、その会社を辞めてからも、今この瞬間においてさえも私の背中を押しています。
端から見たら「向上心」や「野心」「頑張り屋」「努力家」と思えるような人も、実はその裏側にはその人にしか見えない特別な要因があったりします。
「どんな人間になりたいか」そして「どんな人間になりたくないか」を考えよう
「どんな人間になりたいか」と同じくらい「どんな人間になりたくないか」を考えることは大事なことだと私は思います。なぜこれらを考えることが大事かというと、あなたが負けそうになった時、挫折した時にあなたを救ってくれるからです。
そして2つの側面から自分の未来を考えておく理由としては、これら2つの側面がそれぞれある程度同じようなニュアンスながら、微妙に方向性の異なるモチベーションの源泉だからです。
たとえば私の場合「どんな人間になりたいか」を強く意識するのは、人生が上向きの時です。
人生が上向きで追い風が吹いている時には、自分は無敵なんじゃないか?とすら錯覚します。
そしてそんな時は、「憧れ」に手が届きそうな気がしてきます。それまでは雲のようなものでしかなかった憧れが、急にちょっと背伸びすれば届きそうな場所に現れるのです。こんな時、つまり希望に溢れている時には、「憧れ」が強烈なモチベーションの源泉になります。
それに対して、ちょっと疲れている時や怠けそうな時には、「憧れ」よりも「なりたくない」というパワーのほうが効果を発揮する場合があります。
「怒られないからといって陰でサボってたら使えないおじさんになって新人の若い子に笑われる」
「酒をやめなかったらコンビニで酒だけ買いに来てるあのボロボロのTシャツを着たおじさんのようになる」
「タバコをやめなかったらスモーカーズフェイスになる」
そんなの嫌だ。嫌だ嫌だ。絶対に嫌だ。
これが強烈なモチベーションの源泉になります。
だからこそ、「どんな人間になりたいか」と「どんな人間になりたくないか」の2つを考えておくことが重要なのです。
あなたはどんな人間になりたいですか?
そしてどんな人間になりたくないですか?