- SEO対策ってなんかよくわからない。WebデザイナーもSEO対策を勉強したほうがいいのかな?
- SEO対策が重要なのはわかるけど、ディレクターってどこまでSEOについて知っておくべきなんだろう?
現役でSEO対策の仕事をしている私が最低限知っておくべきSEO対策について解説します。
Webデザイナー・WebディレクターのためのSEO対策

WebデザイナーやWebディレクターにもSEO対策の知識やスキルは必要です。
なぜなら、お客さんがWebサイト制作にSEO対策を求めているからです。
Webサイトを制作していて、お客さんからこんなことを言われた経験がありませんか?
「うちのホームページが全く表示されないんだけどどうなってるんだ?」
お客さんと全く関わらずにサイト制作をする場合には経験がないかもしれませんが、お客さんと接する場合には、過去に一度くらい、SEO関係の苦言をもらったことがあるのではないでしょうか?
SEO対策のスキルや知識のあるWebデザイナー・Webディレクターは希少

SEO対策のスキルや知識のあるWebデザイナーやWebディレクターはあまりいないです。
とくに、WebデザイナーでSEOに詳しい方はほぼ会ったことがないです。
ディレクターに関してはさすがに全くSEOの知識やスキルのない人はいないですが。
WebデザイナーやWebディレクターにSEOの知識やスキルがないのは、WebデザイナーやWebディレクターにSEOの知識やスキルが必須だと考えられていないためです。
あくまでも、
デザインや制作物そのものが重視されています。
Webサイトを制作する過程で、デザインや文章について何度もお客さんとやりとりすることは多いと思います。実際のところ、「デザインに異常にこだわりがある」お客さんはいます。異常でなくとも、多くのお客さんはデザインや文章に意見をのべてきます。
そのため、デザイナーやディレクターの方でも、お客さんの期待にこたえるためにデザインや文章について勉強します。
一方でSEOについては、ガミガミと口うるさく言うお客さんはそう多くないです。
それはなぜか?
そもそも「SEOについてよくわかっていないから」です。
お客さんにしてみれば「よくわからないから任せた」というスタンスなのですが、WebデザイナーやWebディレクターにとっては、「お客さんはSEOについて何も言ってこない(SEOを重視していない)」というスタンスになります。
結果的に、デザインや文章のように勉強を重ねないため、SEO対策の力がつかないということになります。
SEO対策の知識に乏しいWebデザイナーやWebディレクターが作ったWebサイトの悲劇

悲劇が起きるのは制作後です。
制作のみを受けている会社やフリーランスであれば永遠にわからないままかもしれませんが、SEO対策の知識に乏しいWebデザイナーやWebディレクターが作ったWebサイトは、制作から少し時間が経ってから失敗の烙印をおされます。
- 検索結果に表示されず新規顧客の獲得ができない。
- 適切なリダイレクトをかけていなかったため、Googleから評価を受けていたページの評価もなくなってしまった。(サイトリニューアルの場合)
- サイトの表示スピードが遅すぎて使いづらい。
Webデザイナー・WebディレクターはどこまでSEO対策について知っておくべきか

Webデザイナー・Webディレクターが学ぶべきなのは、最低限のSEOで問題ないです。
本当は最低限である必要はないですが、SEO対策は底がないので、学べば学ぶほどわからないことが多くなり、収拾がつかなくなります。(笑)
SEO対策のプロと呼ばれる人たちや会社のブログを読めばわかりますが、SEO対策は日々変動していて、SEOのプロは最新情報をキャッチしようと必死になっています。もちろん私もその一人です。
SEOの世界はもはや研究者の世界です。
SEO対策を本業にしていない人が情報を追っていくのは無理があります。
「いやいや、わたしはSEOを極めたいんだ」と思うなら、SEO対策の会社に入社したほうが幸せになれると思います。
WebデザイナーやWebディレクターが知っておくべきSEO対策は最低限でOKです。

Webデザイナー・Webディレクターが知っておくべき最低限のSEO対策とは?
WebデザイナーやWebディレクターが知っておくべきSEO対策は、最低限、マイナス評価を受けないためのSEO対策です。
「攻めのSEO」、たとえばビックキーワードで上位表示を取るといったことは、SEOのプロの仕事です。そこまでやる必要はありません。
具体的には以下です。
- 最低限サイト名で1位に表示させる
- エラーのないコーディングをする
- 意味のあるマークアップをする
- サイトスピードに気をつける
- titleやalt属性を戦略的に設定する
最低限サイト名で1位に表示させる
ビックキーワード(競合の多いキーワード)で上位表示させる必要はありません。
お客さんもSEOのプロではない人にそこまで望んでいません。ですが最低限、サイト名(会社名)で1位に表示させる必要はあります。
なぜなら、Webサイト完成時にお客さんがまず始めに検索で検索する言葉はサイト名だからです。最低限ここはおさえる必要があります。ここがしっかりできていないと、「どうなってるんだ?」となってしまう可能性があります。
サイト名で上位表示させるためのポイントは以下です。
- ユニーク(他にない)なサイト名(会社名)かどうか。→同じサイト名がすでに検索上にいくつかある場合、上位表示に時間がかかる場合があります。その場合、可能であれば別のサイト名に変更することを提案する。
- <title>タグとトップページの<h1>タグ、<description>タグにサイト名を含める。
- <title>タグにすでにサイト名が含まれているが、その他のキーワードも多く含まれていて文字数が多くなっている場合。→サイト名を一番左に移動して文字数を35文字位以内におさめる。
- 構造化マークアップで会社名をマークアップする。
- Googleマイビジネスに登録する。
エラーのないコーディングをする
エラーのないコーディングをすることも大事です。
マークアップにエラーがあると、クロールに支障をきたす可能性がありますし、ソースの見た目上もよろしくありません。
具体的にはW3C勧告に沿ったコーディングをします。
W3CとはWeb技術の標準化などを定めている国際的な団体です。
W3CのサイトでHTMLのエラーチェックが可能です。
「1つのエラーもダメ」というものではないですが、少なくとも致命的なエラーのないコーディングを心掛けましょう。
モバイルユーザービリティのエラーにも注意
モバイルユーザービリティのエラーはとくに要注意です。
Googleはスマートフォンサイトを非常に重要視しているので、スマートフォンでの見え方は十分に注意しなければなりません。
モバイルユーザービリティにエラーがある場合、Googleサーチコンソールにエラーが表示されます。
- テキストが小さすぎて読めない。
- クリック可能な要素と要素が近すぎる。
SEOというよりも、ユーザーにとっての使いやすさに繋がるとろこなので、モバイルユーザビリティのエラーには気を付けましょう。

意味のあるマークアップをする
何も考えずにHTMLをマークアップするのではなく、意味のある文書構造にもとづいてマークアップすることも大事です。
意味のあるマークアップは、Web業界では「セマンティックWeb」と呼ばれています。
セマンティックWebとは、ティム・バーナーズ=リーによって提唱された考え方です。たとえば、人は「株式会社〇〇」という言葉を見た時、「株式会社〇〇」が会社名だとすぐにわかります。
ですがロボットにはそれが会社名かどうかがわかりません。「構造化タグなどを使用して、ロボットにもわかりやすいマークアップをしよう」というのが、「セマンティックWeb」の考え方です。
構造化タグには、ナビゲーションを表す<nav>や記事コンテンツを表す<article>などがあります。

とりあえず<div>でよくないですか?

いや、独立した記事コンテンツなので<article>でマークアップしましょう。
こんなイメージです。
会社名などを正しくクローラーに伝えるためのマークアップ方法を「構造化マークアップ」と呼び、様々な種類が用意されています。
- 企業情報
- イベント
- よくある質問
- パンくずリスト
- ローカルビジネス
- 製品情報……など
サイトスピードに気をつける
WebデザイナーやWebディレクターはサイトの表示スピードも意識する必要があります。
Googleがサイトの表示スピードを重視しているのもありますし、Webサイトを閲覧するユーザーにとっても、サイトの表示スピードが遅いことは良くないことだからです。
サイトの表示スピードが遅くなるケース
- 画像が多すぎる。
- 画像が大きすぎる。
- アニメーションなどが多い。
サイトスピードが遅い原因は、「Page Speed Insights」でチェック可能です。
ただ「Page Speed Insights」で出た項目の対応に関しては、場合によっては対応が難しいケースや「そこまでやる?」と感じるものもあると思います。
WebデザイナーやWebディレクターの範囲としては、最低限「遅いと感じない」レベルで良いと思います。

titleやalt属性を戦略的に設定する
<title>タグや<alt>属性を適切に設定するのは、最低限のSEO対策において重要です。
「<title>タグとか<alt>とかテキトーでいいんでしょ」と思ってる方もいますが、ちゃんと考えて設定しないと、意図した通りに検索結果にWebページが表示されなくなります。
Webデザイナー単独でSEOを考えたタグ設定をすることはあまりないかもしれませんが、最低限の知識は持っておきましょう。
最低限の<title>設定
- 文字数は30文字程度。あまりにも長いと表示できない部分が「……」になる。
- キーワード濃度を考える。様々な種類のキーワードを詰め込みすぎると、一つ一つのキーワードの訴求が薄まる。
- 狙いたいキーワードを必ず入れる。「脱毛 オススメ」で上位表示を狙うなら、「脱毛」と「オススメ」を<title>タグに含めること。
- 狙いたいキーワードはできれば左側に。大きな効果はないと言われているが、文末などにあるより左側にあったほうが良い。

Webデザイナー・WebディレクターのためのSEO対策まとめ
少し長くなりましたが、以上がWebデザイナー・Webディレクターが身につけておくべき最低限のSEO対策です。
SEO対策は魔法ではありません。
ですがSEO対策を魔法だと思っているお客さんはたくさんいます。つまりは需要があります。ですからSEO対策の知識やスキルのあるWebデザイナーやWebディレクターは重宝されます。
もしもあなたが、「今までSEOとか意識してなかったわ」というのであれば、一つずつでもOKなので、ぜひ試してみてください。思い通りの結果が出るようになると楽しいですよ。