科目A 570点
科目B 540点
試験終了と共に表示された結果画面を見て、
絶望的な気持ちになってしまった方もいると思います。
あれだけ勉強したのに、結果は不合格。
「遊びたいのに我慢した」
「飲み会を断った」
「テレビやYouTubeを見なかった」
でも届かなかった…
基本情報技術者試験に限らず、不合格は、受験や資格、就職試験など、合否が存在するものにおいて、避けては通れないものです。
私自身、基本情報技術者試験に一度落ち、500点台の点数を見た時、この世の終わりのような気持ちになりました。
試験会場から家に帰るまでの道のりが、異常に長く感じ、時間が止まって見えました。
その場で合否がわかるって、スムーズで嬉しいですが、落ちた時は最悪ですよね…
だって人目があるから泣くこともできないわけで…
だから、今あなたの苦しみがよくわかります。
「努力は報われない」とか
「すべては無意味だった」とか、そんなふうに思ってしまっているかもしれません。
でも基本情報技術者試験は、
何度でも受けることができる試験です。
一年に一回しか受けられない試験ではありません。
だから今ある知識や、実際の試験を受けた経験を活かし、次の試験を受けることができます。
※再受験は最短一ヶ月後
だから、もしもあなたの心の灯がまだ少しでも燃えているなら、どうかこの記事を読んで、再受験で合格してほしいです。
基本情報技術者試験は難しい

まず最初に知っておいてほしいのですが、
基本情報技術者試験は普通に難しい試験です。
ネット上では「簡単だった」「一週間で受かった」といった声も見かけると思いますが、真に受けてはダメです。
たとえば、すでにエンジニアとして働いている人が受験した場合、日常的に触れている内容が多いため「簡単」と感じるだけで、短期間で合格した=誰でも簡単に受かるという意味ではありません。
合格率は30%台とも40%程度とも言われていますが、30%台の資格というのは、しっかりと勉強しないと合格できません。
だからもしもあなたが、全然勉強せずに落ちたのなら、もっと勉強する必要があるし、勉強して落ちたのなら、「仕方ないから次頑張ろう」とみるのが客観的な見方です。
「才能がないから」落ちるわけではありません。
ITやプログラミングだけではなく、
- ネットワーク
- セキュリティ
- マーケティング
- 経営戦略
- 法務
まで出題されます。
本来複数に分ける内容を全てまとめたような総合資格です。
短期間で全て理解するのは至難の業です。
だから落ちたとしてもおかしくないというか、合格した今でも、「ふつうに難しい」と思っています。
まずはなぜ落ちたのかを分析しましょう

落ち着いたらまずやるべきことは、
落ちた原因の分析です。
- 勉強時間が足りなかったから落ちたのか?
- 苦手分野の問題が多く出題されたから落ちたのか?
- 時間配分を誤ったのか?
試験の結果は戻ってこないので、自分でどこで正解して、どこで間違えたのかはわかりません。
そこがこの試験のネックですが、記憶が薄れないうちに、自分ができなかったであろう問題を思い出してメモしましょう。
問題は毎回変わるので、仮に今回の試験内容を全て記憶できていたとしても、次の試験に全てを活かすことはできません。
でも同じような問題は出るはずなので、ある意味、落ちるたびに有利になっていく試験とも言えます。
だから今回落ちたことは、むしろ次の試験におけるアドバンテージになると考えましょう。
3回、4回受けて不合格になってしまった方も同じです。
大事なのは、ちゃんと振り返ることです。
- 科目Bで一問ずつトレースしていったけど、時間が足りなかった
→時間配分の特訓が必要 - 科目Aは意外に計算問題が出た気がするけど、できなかった
→公式を覚える必要がある - 科目Bで問題文が理解できなかった
→問題文を読み解く読解力が必要
原因を分析することで、
成長することができます。
だから落ちて苦しい時こそ、合格に向けて振り返りをしましょう。
再受験で合格するための方法

では次に、実際にどうすれば次で合格できるかを具体的に考えていきましょう。
原因によって解決策は変わるので、必ずしも全て当てはまるわけではありませんが、一例として私の体験談を踏まえ書いていきます。
過去問は必須。でも過去問では合格できない
基本情報技術者試験を受ける方の多くが、過去問を中心に勉強していると思います。
「基本情報技術者試験ドットコム」といった有名サイトもあり、利用している方も多いと思います。
過去問をメインに勉強すること自体は間違っていないと思います。
一方で、過去問に頼りすぎると、「過去問では8割近く取れているのに合格できない」といったケースが起こり得ます。
原因は、
- 答えをただ覚えているだけ
- 必ずしも過去問がそのままの形で出るわけではない
という点です。
私自身、過去問を中心に勉強しました。
ただ、あるとき、自分は理解しているのではなく、キーワードと答えを記憶として覚えているだけという点に気づきました。
例えば、RAIDの問題で、「ミラーリング」というキーワードが出たら「RAID1」だといったようにです。
問題点は、設問に「ミラーリング」がなかったり、別の言い回しになった場合、答えられないということです。
科目Bでも同じです。
同じような問題はたくさん出ますが、数値や設問文の言い回しは変わるので、問題そのものの本質を理解できていない場合、初見の問題に感じます。
大事なのは、過去問の答えを暗記することではなく、問題の本質や用語そのものの理解をすることです。
また、科目Bについては、仮に初見であっても、while文やfor文といった、プログラムの構造を理解していれば、ほぼ全ての問題がトレースで解けます。
特定の問題の答えを覚えるのではなく、解き方を覚えましょう。
そうすれば、科目Bについてはどんな問題が出題されても大丈夫になります。
苦手分野を克服する
再受験の場合には、苦手分野の克服は必須です。
基本情報技術者試験は、6割とれば合格できると言われています。
6割と聞いてどう思いましたか?
私は「6割とかめっちゃ簡単じゃん」と思いました。
ただ、これも基本情報技術者試験の落とし穴です。
6割というと、全問題数のうち60%正解できれば受かると思いがちですが、配点は問題の難易度や統計的特性を踏まえて標準化されるため、単純に「全体の60%正解=600点」とは限りません。
この採点方式の場合、例えば、得意な分野で問題数ベースで全体の60%に回答できても、配点によって合計点が600点に届かないケースが出てきます。
また、範囲が広いので、自分の得意分野の問題が必ず出るとは限らず、出たとしても複数問でるかもわかりません。
逆に、不得意な分野が出る可能性もあるし、複数問出る可能性も、配点が高い可能性もあります。
なので、苦手分野を捨てるという戦い方は非常に危険なのです。
私は不合格になってから1か月は、
苦手分野を中心に勉強しました。
そして、出題範囲ほとんど全てにおいて、どんな分野の問題が出てもある程度対応できるようにしておきました。
科目Aは四択の選択問題です。仮に苦手分野の問題が出ても、消去法を使えば1/3、1/2など、正しい選択を選ぶ確率を高くすることができます。
この1/3、1/2にできるかどうかが、600点の境界を超える鍵になります。
私自身、自信を持って答えられた問題は半分以下です。
あとは、消去法ですべて回答していきました。
1/4で30問答えたら、合格は遠いかもしれません。
でも1/2で30問なら、もう少し可能性は高くなります。
この1/4を1/2にするために必要なのが、苦手でつまんないと感じても、苦手分野を理解しようとすることなのです。
生成AIをフル活用する
プログラミングにAIは必須の時代になりましたが、勉強においてもAIは必須です。
とくに基本情報技術者試験は生成AIを活用した方が良いです。
理由は、理解しづらい用語が頻出するからです。
普段その用語を使っている人にとっては問題ないのかもしれませんが、少なくとも私の場合はそうではありませんでした。
- フェールソフト
- フェールセーフ
- フールプルーフ
- フォールトトレラントシステム
- フォールトアボイダンス
用語自体のわかりにくさもそうですが、似通った用語がありすぎて、どれがどれなのかわかりませんでした。
そこで生成AIです。
私の場合は、楽しく勉強したい派なので、生成AIに、「この用語を物語風に説明して」とお願いしました。
すると、生成AIは、IT王国での王様と家来、国民のやり取りを通して、各用語の役割や違いを説明してくれました。
物語にすることで、今までただの用語でしかなかった無機質な言葉が、意味のあるものに思え、覚えられるようになりました。
科目Bについては、参考書の問題を写真で読み取ってもらい、解説してもらいました。
生成AIは、何度質問しても、どんなに検討外れの質問をしても、怒りません。
人間だったら何度も聞きづらいし、参考書の解説はわかりづらいです。
だから、用語の意味がわからないとか、参考書の解説がわからないとか思っている場合には、生成AIを利用してみましょう。
今使っている教材を信じるべきか
試験に合格できるかは、教材選びにかかっていると言っても過言ではありません。
そのくらい、何を選んで、信じるかは大事です。
基本的には、
- 一番売れているもの
- 自分にしっくりくるもの(イラストの有無、文字びっしりなど)
で選ぶので問題ないと思います。
ただ、不合格になったあとは、「もしかしてこの教材が合ってないんじゃ?」と思ってしまうこともあるかもしれません。
私の考えでは、テキストは変える必要はないと思います。
もし追加するなら、問題集です。
私は科目Bの問題集1冊と、過去問+予想問題(科目A・B)がセットになっている問題集を使いました。
市販のテキスト(とくに売れているもの)で悪いものはありません。
なので別のテキストを買ったところで、イラストの有無など、些細な違いしかありません。
合格するためには苦手分野の克服が必要で、苦手分野を把握するためには、とにかく問題を解くしかありません。
「基本情報技術者試験ドットコム」でも苦手分野の把握はできると思うので、とにかく問題をたくさん解いて、できないものをできるようにしましょう。
ただ忘れちゃいけないのは、
覚えるだけではなく、理解することが大事という点です。
落ちたことで喜びは倍増する

試験に不合格になった時は、
それまでの努力全てが無駄になったようで、
何もかもに嫌気がさしてしまうかもしれません。
「なんで自分は頑張っても報われないのか…?」と思ってしまうかもしれません。
でも少なくとも、あなたは戦っています。
そしてまだ、戦おうとしています。
私はそれだけで、あなたに拍手を送りたい気持ちです。
落ちた時や失敗した時には、
こう考えるのも手です。
これで受かった時の喜びは倍増されると。
- 受かった時にやりたいことをリストアップする
- 受かった時の気持ちを想像してみる
「これで受かったら俺(私)って最強なんじゃね?」と思えるなら、あなたは何度でも戦える人です。
本気であればあるほど、次の受験には恐怖もついてきます。
「次も落ちたらどうしよう..」
「次落ちたらもう頑張る気力がない…」
「自分には才能がないんじゃ…」
でも大丈夫です。
大事なのは、そう思わないことではなく、思い続けながらも前に進むことです。
あなたには、それができるはずです。
試験に合格するためには読解力が必要
補足ですが、基本情報技術者試験に限らず、答えは知っているのに、問題文を正しく理解できていないために、不正解になっているケースもあります。
とくに、科目Bは問題文が長いものがあり、短時間で読み解くには大変です。
結果的に、正しく理解できていなかったり、読む前から諦めてしまったりするケースもあると思います。
そういう場合に必要なのは読解力です。
ただ、読解力は一日二日でどうにかなるものでもないので、再受験までに必須ではありません。
なので、次の受験まで時間がある方や、読解力が一番の課題という方は、強化するのもありです。

まとめ
基本情報技術者試験は、出題範囲が広く、用語も理解しづらいものが多いので、簡単には合格できない試験です。
だから頑張って勉強しても不合格になってしまう可能性もあります。
でも諦めずに、結果の分析、戦い方を工夫すれば、合格できる試験です。
落ちた経験を活かして、
- どこでつまずいたのかを分析し、
- 苦手分野を重点的に復習し、
- 理解を深めながら解き方を定着させる。
この3つを意識するだけで、
次の結果はまったく違ってきます。
焦らず、腐らず、一歩ずつ進みましょう。
基本情報技術者試験は、挑戦するたびに確実に前進できる試験です。
あなたの次の挑戦が、合格通知で報われることを心から願っています。

